カラダの声
カラダの声
食育コラム 子供の好き嫌いに困っているお母さん、いませんか?
手を変え、品を変え、料理をしても、残されてがっかりすること、わたしもあります。今でこそ子供たちに、なんでも食べなさい。と偉そうに言うわたしですが、小さい頃は、野菜のほとんどが苦手でした。当然、小学校に入ってからは給食が食べられず、5時間目になっても、掃除の時間が終わっても、果ては下校時間が過ぎても、冷たくなっシチューのブロッコリーを見つめて、ぼんやり。先生に、あなた、まだいたの。と言われ、とぼとぼ給食室に食器を持って行き、鍵のかかった扉の前に置いて帰る。ということも一度や二度ではありませんでした。
けれど、母に食べる事を強制された覚えは、不思議と一度もありません。わたしの分だけ苦手なものは除けてくれたりとか、逆に食べやすく工夫してくれたりだとか、そういう覚えもありません。いつも、ただ普通に料理が用意されていました。そんなわたしが大の野菜好きになったのはどういうわけでしょう。
はじめて野菜が食べられるようになったときの事を今でもはっきり覚えています。小学校2年生になった、ある夕方、ひどい便秘でおなかが苦しくて、うんうん言っていると母が、これを食べて体操したらすっきりするわ。と言いながら夕飯の野菜炒めをテーブルに置きました。その時はじめて自分から食べた、その野菜炒めがおいしかったこと。何度もおかわりして、ラジオ体操をして、…本当にすっきりしました。(笑)それ以来、見るのも嫌だった野菜に食事の度に手がのび、2年生の二学期には給食もおかわりの列に並ぶまでになりました。子供というのは大きくなるものなので、カロリーの高いもの、お菓子やお肉といったものが好きなのは当たり前。(もっとも最近はあっさり好みの子供もよく見かけますが…)大人になるにつれて、成長より体を維持するものを好むようになっていくのです。
わたしの例は極端かもしれませんが、無理強いしないで子供がその食べ物に興味が出てくるまで、子供の素直な体がその食べ物を必要とするまで、待ってみるのもひとつの好き嫌い克服法かもしれません。たくさんの食べ物があふれているこの時代、少々食べないものがあっても簡単に病気になったりしないでしょう。もちろん、食卓には普通に用意して、大人たちがおいしそうに食べて見せるのを忘れずに。