ピアジェ教育

発達心理学に基づくピアジェ教育

春と夏の2回、指導法や研究活動の発表会を行っています

研究発表会
研究発表会

当園は、幼児教育に心理学的な実証を導入している日本ピアジェ会を主催しています。春期と秋期の2回、研究活動を実施しています。海外のピアジェ会とも連携し、ピアジェ博士の認識論をもとにカリフォルニア州立大学院・ジュネーブ大学とも連携し、発達心理学や教育学の調査研究を行い、幼児教育の振興と教職員のレベルアップを図っています。

 

研究内容を記載の会報誌PDF
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最近の記事
2014年 7月 毎日新聞

JEAN PIAGET 博士の紹介

JEAN PIAGET 博士 新生児から青年までの知識の世界を科学的に明らかにした、発達心理学の創始者ジャン・ピアジェ博士は、哲学、心理学、生物学、 数学、その他多くの分野に大きな影響を与えた20世紀心理学の巨人として、また「幼児の父」として 世界から尊敬されています。

ピアジェ博士の功績は、時には哲学のカント、物理学者アインシュタインの 功績と同じように言われています。 幼児のあそびのなかにも知的行為があることを、臨床実験によって世界ではじめて認識した博士の功績は、近年世界的な規模で議論されてきた教育改革の中心課題となり、私たち幼児教育者に与えた影響は計りしれません。 わが国には、1970年6月に来日され「創造的教育論」の論理的根拠を明らかにしました。

博士から学園に向けたメッセージ

博士から学園に向けたメッセージ Always love your children. And pray for them to be accepted as they are.  Provide them with the opportunity to develop and discover things for themselves.  In order to do this, it is important that mothers and teachers care for the children, in such a manner that the children will be able to be voluntarily active.

「あなたたちの子どもを絶えず愛し続けなさい。そして,子ども達がありのままの姿で見てもらえるように祈ります。また子ども達が自分自身の力で発達し、自分自身の力で成長していく機会を与えてあげてください。それにはお母さんや先生達は、子どもらが自発的に活動できるように心がけてあげることが大切です。」

幼児教育の今、昔

つい最近までは「文字や数は教えてはならない」といって「知的」とか「学習」という言葉すら遠慮しなければならなかったのですが、「時代の変化に対応した今後の幼稚園教育のあり方 に関する調査研究協力者会議」が平成9年11月に文部省に答申したなかに、知的教育 の重要性とその体系づくりをとりあげました。 知性と感性は車の両輪のような関係にあり、統合的な環境を整えることが望まれています。
出会い
博士との出会い ピアジェ博士によって、生まれたばかりの新生児から学習がはじまることを知り、感動しました。
特に、0歳から7歳までの博士の研究は、世界的にも高く評価されています。私は貴方の理論を現場で実現しているものですが、理論を発表した責任者として是非現場をみていただきたい、というような内容の手紙をだしました。 当時は、博士は研究に没頭されていて、世界のどの学者が手紙をだしても、なしのつぶてであったと いうことを聞いていましたから、 とても不安であったことを思い出します。

その後1968年11月にジュネーブ大学で会いましょう、という手紙がきたときには信じがたいことがおきたように思いました。 みなさんも一度幼児に、「かたづけることとはどんなことですか?」とか「真っ直ぐならぶことはどんなこと?」とか 「雲や煙や川などが生きていますか?」「影はどうしてできますか?」などど質問してください.その答えが真実の子供の思考からくる答えです。大人の考えと本質的に違った基準で考えていることが理解されたとき、ピアジェ理論の虜になるでしょう。そのようなときには本学園を一度訪問してください。きっと参考になるでしょう。
TIME誌
TIME誌 アメリカで20世紀の社会に貢献した100名を選び、その中から更に10人を 選んだなかに、ピアジェ博士がアインシュタイン博士とならんで選ばれています。
あいまいな教育理論から科学的で確かな教育を探求して、1962年にはピアジェ理論 を土台にして総合的体系化して 「かずあそび」「ことばあそび」などの教材を世界ではじめて実践に応用。 ピアジェ博士が来日されたときに見学されて、可能性を含むすばらしい教材であると 賞賛していただきました。

「かずあそび」、「ことばあそび」。
「かんさつあそび」は現在ではさらに改良され、「ペタペタシールあそび」(年少、年中、年長編)として大変教育的成果をあげています。

学習とは?

ピアジェの研究 これまで、学習は小学校からと固定的に考えていました。しかし、乳児がおっぱいを飲むのでさえ、赤ちゃん自身が学習し、吸引が可能になるのです。このようにすでに学習は、生まれた瞬間から始まっているので小学校から始まるわけではないのです。ピアジェの研究によって学習という概念も大きく変化したのです。 今日の幼児は明日の幼児ではないことは、みなさんは、いろいろの行事の前と後では幼児の生活態度が変化し成長していることを知っているでしょう。 日々が変化の連続です。幼児教育者でもピアジェの世界を知っている人と知らない人では雲泥の差があり、質的にも力量が違うのです。

Q.あなたはどこで考えますか?
A.私は鼻で考えると思います。鼻は匂いを嗅げるからです。 (6.5歳)
A.私は手で考えると思います。手の中に小人がいて、ほっぺたに 手をつけて考えたら絶対考えられるからです。(6.4歳)

知能の発達について

知能の発達 生後赤ちゃんは産まれてから青年期まで、段階を経て知能を発達していきます。その知能の発達段階は急に飛び抜けて、階段をステップして登っていくものではなく、一段一段と登っていくものです。
図アは記憶と知能の実験の中で、偶然発見された発達の実験です。 10本の棒を見せた後、ばらばらにして、元のように並べさせる実験ですが、この中には知能の発達、 倫理の発達、認識の過程など凝縮されたもので、深い意味が隠されています。
知能の発達 ■1段階
大小の判断が混同されていて、手に持ったものを並べます。図はイメージで混同した知能の働きを示します。
■2段階
大小の判断がうまれてきた知能の働きで、大小、 大小と並べるか、または、大の仲間、小の仲間のおおまかなグループに分けます。
■3段階
小中大、小中大というように並べていく段階です。元のモデルと同じように、小から大に連続して系列しながら並べます。
このように、記憶でそのまま理解するのであれば、はじめから同じように並べることができるはずです。しかし、実験の結果はそれぞれの知能の発達に応じて幼児が並べています。この実験は、ものを理解していく過程を示しています。はじめは、混同、次に二つの両極端の世界、次にそれぞれの中間を発見して、たとえば色であれば、薄い、少し薄い、もっと薄い、または、濃い、少し濃い、もっと濃い、というように分化していき、さらに薄い色から濃い色への系列が始まるというように発達していきます。数学や論理的分化のモデルにもなる、最も単純な表現ですが、奥が深いのです。

OMEP※国際会議で本学園グループが紹介されました!

2005年6月27日、チェコ共和国首都プラハで開催された「O M E P 国際会議」にて、カリフォルニア州立大学附属教育大学名誉教授斎藤法子教授が、本学園のピアジェ教育内容やペタペタシールあそび教材、それらによる教育効果について発表されました。以下はその概略です。

※〈OMEP〉Organisation Mondiale pour IEducation Prescolaire
 「世界幼児教育・保育機構」
園児の発達段階の比較
発達段階の比較 2002年に斎藤教授が訪日された際、ピアジェ教育を実施している鴻池学園幼稚園と実施していない幼稚園の園児では認識の発達段階にどのような違いがあるのかを実験されました。

その結果、鴻池学園幼稚園の平均年齢が6.08歳。その他の幼稚園児が平均年齢が6.9歳と平均年齢が約8カ月違ったにもかかわらず、次のような素晴らしい結果がでました。

 

第三幼稚園敷地内 ピアジェ資料館

ピアジェ資料館

日本ピアジェ会
〒573-0104 大阪府枚方市長尾播磨谷1-4051
鴻池学園第三幼稚園敷地内
TEL 072-855-3777
FAX 072-855-3779

ピアジェ博士の生誕100年祭(1996年)を機会に日本でも博士の資料館をつくり、開館しました。ピアジェ会では、科学的な根拠による創造的教育の理論背景によって、記憶にたよる教育から創造的教育への大きな転換の道を研究しています。幼児期には幼児特有の思考があり、発達段階があります。一昔前までは、子供は知識のない小さな大人だと考えられていました。大人と同じような知識を暗記で詰め込めば良いと考えられていましたが、実は質的に思考そのものが大人とは違い、論理を獲得するには、段階から段階を経て発達することが、解明されてきました。そのような幼児期特有の段階を研究して、教師の再教育、新任の教育に利用することを目的としています。


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